第八章

上棟後、家の中には大量の建材が運び込まれた。
いよいよハーフビルド本番だ!
本来なら外壁工事を始めてしまうのが手順どおりなのだが、
今回使用した材料の大半が輸入材のため、
よりによって外壁用のレッドシダーのサイディングがまだ来日していない・・・・。
仕方が無いので、内装工事から取り掛かることとなった。
まずは断熱材だ!
断熱材は柱のスパン・壁厚にあわせた物を入荷してある。
ゆえに、そのままどんどん柱間に詰めて止めていけばいいだけの簡単な工事である
・・・・・と、私は解釈して
朝、主人にお弁当を手渡し
「いってらっしゃ〜い!がんばってね〜!!」
と、優しい笑顔で声をかけ見送り、
後はのほほんと育児を楽しむ日々が続いた。
・・・が、ここで問題が生じた。
「何してんの?早く作りに行きなよ!」
「・・・・・・体しんどい・・・・・。」
休みなく連日作業を続けていたせいもあり、

主人がばてた!
「ゆっくり休んで続ければいいじゃない♪」
と、優しい女房を演じたいところだがアパートの契約期間が迫っている・・・・
「少し寝て早く作り行ってよ!!
そうしないと路頭をさまようことになるんだからね!!もう!!」
鬼嫁である。
が、本気でダウンしているのは行き倒れのような哀れな姿で容易に察しが付く・・・。
(今思えば、上棟間もない家にこもってやっていたのだから、
構造材から揮発したVOCに当てられていたのかもしれない・・・あ〜可哀想!!)
切羽詰ると人間なんでもできる。
「わかった〜!あたしが作業進めてくら〜!任せとけ!親父、息子を頼んだぞ!」
と、颯爽と家を出た。
言っておくが、私は箸より重たいものは持ったことのない
か弱いレディーなのである!
インテリア科で建築の知識はあったのだが
もちろん、現場作業なんてやったことはない!!
つまりは、やけくそである・・・。
現場に着き早速グラスウールを詰め始める。
「は〜ん!こんなのどんどん詰めればいいだけじゃ〜ん!」
と、引っ張り出しては詰めてタッカーで両端を打って止めていく。
初めのうちは順調だった・・・・が、
時はもう7月中旬。軽井沢だってさすがに暑い!
しかも、グラスウールから身を守る為ジャンバーに長ズボンにマスクをしっかり着用しているのだから
非常に暑い!!!!
で、どんなに防具してても肌が出ているところには汗でグラスウールがつき
ちくちく腹が立つ痛さだ!!!
よくよく考えりゃ、赤子と仲良く毎日を過ごす極平凡な主婦Aなのだから
現場で持つほどの体力も所持しては居ないのだ!!
「死ぬ・・・死ぬ・・・。親父の奴なんでばてたんだ・・・・ばかやろ〜〜・・・・死ぬ・・・死ぬ・・。」
と、つぶやきつつ作業をこなす・・・。
夕方前にはもうすっかり疲れてへべれけになりました・・・。
暗くなる前に、今日の成果を挙げた自分を
「あんたは偉い!!」
と褒めてやって帰宅する。
翌日、少し体調の戻った主人と共に現場に出向く。
得意げに自分がやった場所を伝えると、
「こんな詰め方じゃだめだ!あ〜〜〜ここも・・・やり直さなきゃ・・・
おかあにまかせると必ず駄目になっちゃうんだ・・・あ〜二度手間だよ・・・。」
主人の口から出てくるのは賛辞でなく駄目押しばかり・・・・。
「う・うう・・う・う・うお〜〜お前人が必死こいてやったてのに
そういう言い方しか出来んのか!!
き〜〜☆#□●#☆※〜ギュェ〜*●ぎょ〜!!!!」
最大級のヒステリーが爆発し
しばらく口をきかない日々が続いたのは言うまでもない。
以降、断熱工事は主人がすべてやったのであった・・・・。
ちくしょ〜〜〜!!!
気を取り直して次は壁工事!どんどんいってみよ〜!!
ちかり
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